【リビングとバルコニーの境界線を探る】設計事務所のリノベーション
2020/9/23
軒天(グレー)部分が、元々のバルコニーの位置。白い部分が広がった部分です。
3階の居住空間は外部の空間が限られているため、家の快適性や利便性を向上させる上で、バルコニーの形状はとても重要になってきます。今回、オフィスを住居にリノベーションするにあたって、まず最初に検討したのが、リビングの位置。ちょうど南東側に、大きな開口部と建物の間口全体に伸びた奥行き900mmのバルコニーがあったので、この位置に決定しました。
リビングからバルコニーを見る
どちらも居住性がよくなるような境界線を考えてみる
奥行き900mmのバルコニーだと、とても使い勝手が悪く、テーブルや椅子も置けない「ただあるだけのバルコニー」になってしまいます。また、バルコニーを単に広げるだけでは、リビング空間が狭くなってしまいます。バルコニーに居住スペース+収納ゾーンを確保することを考えながら、リビングとの境界線を探っていきました。
外観から見たバルコニーの様子
解決法としては、中央部分に45°の入り江をつくることで、リビングと絡み合う形状を計画。壁面を45°角度をつけることによって、必然的に壁の長さがは、1.414倍(√2ですね・・・)になりますから、引き違いのアルミサッシを2箇所挿入することができるのも利点です。また、開口部が斜めなので、外部からは部屋の内部を直接、見づらくなります。それによって、プライバシーが向上することも大きなメリットの1つです。
仕上げは「シナ合板 9mmの目透かし張り」。塗装前の様子です。
バルコニーには元々、全体に大屋根が架かっていていましたので、広げたバルコニーも、内部と外部空間のいいとこ取りな中間領域。大きな軒下空間になりました。45°斜めにしたことで、外部(ラワン横羽目板)と内部(シナ合板9mm)に135°の出隅(角 かど)が数カ所発生しましたが、縦に見切り材を入れること無く、大工さんが微妙な角度をスッキリとキレイに納めてくれました。
135°の出隅収まり
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