段差は悪か? バリアフリーとユニバーサルデザイン
2019/7/2
写真は、小上がりの畳スペースがあるリビング。小上がりの畳スペースは、子どもたちの床遊びの場所になったり、ひざが悪いひとなどには、フラットな床面よりも、逆に、段差を利用して立ち上がるのが楽だったりもします。腰が悪い人には掘りごたつ形式で対応できますし、畳でゴロッとしたときも、床面の埃が気にならないもの特徴の一つです。
使い手によって変わるバリアフリー
バリアフリーとは、真逆の考えの段差のある空間ですが、不特定多数の人たちが使う公共施設と違って、使い勝手が限定された住宅は、住み手目線で考えると、使い勝手のいい空間であるともいえます。バリアフリーとは、直訳すれば「障壁の除去」という意味ですが、一般的には「高齢者や障害者が社会生活を送るうえで障壁となるものを取り除くこと」という意味合いで使われています。
一定の人たちに障害を取り除く行為が、また新たなバリア(障害)を生むケースも
建築では主に段差をなくしたり、出入口や廊下の幅を車いすが通れる幅にしたりすることなどをさす言葉として用いられていますし、不特定多数の利用者が使う一定の建物は、法律でバリアフリーにすることも義務づけられています。(バリアフリー新法)ただ、一定の人たちに対しての「障害を取り除く」という行為が、また新たなバリア(障害)を生むケースも存在します。例えば、視覚障害者用の点字ブロックは、車いすや杖の利用者にとっては、つまずきや移動のしにくさの原因にもなりかねません。
バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進
近年はバリアフリーに加えて、ユニバーサルデザインの考えを取り入れることが主流になりつつあります。ユニバーサルデザインとは「できるだけ多くの人が利用可能であるデザインにすること」。バリアフリーとの違いは、対象を障害者に限定していないことです。内閣府のバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱には、基本的な考え方として以下のように明記されています。
「まずは、障害者、高齢者、妊婦や子ども連れの人などに主な焦点を当て、そうした方々が社会生活をしていく上でバリアとなるものを除去するとともに、新しいバリアを作らないことが必要である。すなわち、物理的な障壁のみならず、社会的、制度的、心理的なすべての障壁に対処するという考え方(「バリアフリー」)とともに、施設や製品等については新しいバリアが生じないよう誰にとっても利用しやすくデザインするという考え方(「ユニバーサルデザイン」)が必要であり、この両方に基づく取組を併せて推進することが求められている。」
「政府においては、平成16年6月に「バリアフリー化推進要綱」を策定し、これまで取組を推進してきたところ、その後の情勢の変化を踏まえ、今般、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進に関する政府の基本的な方針として、本要綱を定めることとする。」
いい文章です。
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