稲荷山公園と「ジョンソン基地」・「ハイドパーク」の記憶
2025/10/30
アトリエ2階のボクシングジムの様子
狭山市の稲荷山公園は、戦後、米軍ジョンソン空軍基地(現・航空自衛隊入間基地)の一部が返還されて誕生した公園です。
もともとは、米軍がこの地を接収した際に、基地内の憩いの公園として整備したもので、当時は「ハイドパーク(Hyde Park)」と呼ばれていました。返還後もしばらくのあいだ、周辺の人々のあいだでは、その英語名で親しまれていたそうです。

かつてこの敷地は、近隣の街並みと同じように、基地で働く軍人やその家族たちの住宅地(housing area)として使われていました。1990年代までは、「米軍ハウス」と呼ばれるアメリカ風の木造住宅の廃屋が点在し、どこか異国の香りを残した風景が広がっていました。
独楽蔵のアトリエには、その頃の名残として、2階のボクシングジムの壁に当時の看板やサインを飾っていました。年月を経ても色あせない文字や、手作りのペイントには、基地の街としての記憶が確かに息づいていたように思います。
今回、事務所の整理をきっかけに、これらの資料を狭山市立博物館に寄贈することになりました。
博物館はちょうど、かつての「ハイドパーク」に隣接する稲荷山公園の中にあります。以前、同館で開催された「ジョンソン基地とハイドパーク」展の際には、展示用に品々を貸し出したこともありました。
またいつか、この土地の記憶が語り継がれる企画展が開かれることを、静かに願っています。

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