埼玉県日高市の新築木造住宅/リフォームは建築設計事務所/独楽蔵へ

【埼玉の設計事務所がつくる新築木造住宅】犬(ペット)目線の暮らし:朝の風景

【暮らしnote No.05】
writing:maiko izumi

埼玉県入間市にアトリエを構える建築設計事務所 独楽蔵 KOMAGURAが設計した新築木造住宅に住む生活者(maiko izumi)から見える日々の暮らし

独楽蔵の設計した家に住む生活者の暮らしの気づき

朝5時。まだ外は真っ暗。お父さんが、1階に降りる。薪ストーブに火をつけるためだ。夜の間、熾(おき)になっていたささやかな火を消さぬように、上手に炎を手繰り寄せる。灰は丁寧に集めて、下の灰受けにうつす。私も一緒にじっと、ストーブを眺める。尻尾を振って、お父さんを見上げてみるけど、お父さん黙ってふたたびベッドへ。庭でのおトイレは、まだみたい。ちょっと我慢。

5時50分。お母さん起きる。ベッドサイドに置いてある眼鏡を取るカチャリという音が合図。私もいっしょに飛び起きる。いそいで庭に出て、おトイレ。外の空気はひんやり。だけどリビングは、お父さんの朝のひと手間のおかげで、ほんわり暖かい。私は、すぐ朝ごはん。いつも秒で完食。喉が渇いたので、お水をちょっと飲む。お母さんは、朝ごはんの準備。トントンしたり、ジュージューしたり、忙しそう。

庭に出て、肉球が冷えたので、お父さんのとこに行って、布団に潜り込み、体を暖める。ウトウト。でもキッチンから、リンゴを切る音が聴こえると、ソワソワ。お母さん、お兄ちゃんと弟を叩き起こす。お母さん、ここから、たいがいエンドレスで怒っている。

1回で起きてよ。動きが遅い。せっかく降りてきて、またリビングで寝ないで。配布物が出てない。水筒を洗ってない。あちこちに靴下が散らばっている。パジャマ片付けて。なんでこんな時間に、そんな間に合わないこと言うの。この小テストの結果なんなの。なんで朝に時間割揃えるの。スマホを見ながら支度しない。トイレにスマホを持って入るな。自分でちゃんと時間見てよ。二度寝しないで。
おだやかで優しい朝は、なかなか難しいみたい。

私にとっては、お兄ちゃん、弟、お母さんから、少しずつリンゴをもらえる、至福の時間。シャクシャクよく噛んで食べる。美味しい。お兄ちゃんは、お散歩バッグみたいなのに、いつもご飯を入れて持って行く。いい匂いがするから、クンクン嗅いでおく。弟とお兄ちゃん、順番に出かける。

ずっと怒ってたお母さんが、ようやく静かになる。ああ腹立つわぁ、ねえ。と同意を求めてくるけど、よくわからないので、お母さんが薪ストーブの前でひろげる新聞の上に、とりあえず寝転がってお腹を出してみる。
撫でられながら、可愛いねえと軽く10回は言われながら、お母さんの心のトゲトゲを抜いてあげる。

お父さんふたたび起きてくる。テレビ体操をする。跳んだり、手を回したりはいいんだけど、時々足を蹴り上げるような動作があって、あれは怖くて嫌いだから、思わずワンワン怒る。お父さん、シャワーを浴びて、朝ごはんを食べる。私は弟の椅子に座って、ダイニングテーブルをペロペロ舐めてみる。美味しい。お父さんから、りんごをもらう。美味しい。お父さんお出かけ。なんだか置いて行かれる気がして、さみしかったり、腹が立ったりして、お父さんの時だけ、なぜかワンワン叫んじゃう。私だって、もっと笑顔で送ってあげたいんだけど、なかなか、難しいものね。

みんなを無事送り出して、ほっとひと息。ここからは女同士、気がねなく。お母さんはテーブルでお仕事したり、出かけることもある。こっそりオヤツを食べている時もある。私は、自分のお部屋で寝たり、陽あたりの良い窓辺でまどろんだり、薪ストーブをチェックしたりする。変な人がいないか、外を見張っていることもある。家のなかには、お気に入りの場所がたくさんあって、季節の移り変わりや、その日の気分で、居場所を変えながら、自分時間を楽しむ。あとみんながいない時だけ、こっそりダイニングテーブルの上に乗るのが好き。悪いことだってわかってるから、家族がいる時は、絶対やらない。

実は、推定2歳でこの家に来るまでは、あんまり楽しいことがなかった。くわしいことは省略するけれど、お散歩に行ったこともなかったし、施設で過ごしたこともあった。施設1番の脱走癖があって、要注意って言われていた。だけど、今はここが私の居場所。家族がいて、みんな私のことが大好きで、私もみんなが大好き。ここではない、何処かに逃げたいっていつも思っていた、いつかの私はもういない。気づけば、もうお昼。確か朝のリンゴが、まだ残ってる。私はそういうことだけは、ちゃんと覚えてる。お母さんから、リンゴのカケラをもらう。やっぱり美味しい。

建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら)では、新築のペットと暮らす木造住宅はもちろん、庭づくりや古民家や中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。

建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら) 担当:長崎まで
04-2964-1296 komagura@komagura.jp

この住宅の完成時の様子はこちら↓
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