埼玉県は入間市の住宅街。かつて区画整理が行われていた地域で、道路がマス目状に整備された、すっきりと気持ちの良い住宅街です。古くから住宅が立ち並んでいる区画の一角に、新たに新築住宅を建てるプロジェクトがはじまりました。
施主はシニア世代のお客さま。長年勤められた企業を退職後も、日々の暮らしを整えつつ、時にはゴルフをされたりと、穏やかなセカンドライフを愉しんでいらっしゃいます。新しい木造の住宅は、ワンフロアで暮らしが完結する平屋建て。外観は寄棟と切妻の屋根を組み合わせ、軒のラインが長く続くオーソドックスなスタイルです。屋根材は、いぶし銀の日本瓦を採用しました。外壁などの材料でアピールするような住宅ではなく、軒の長い屋根が外壁に影を落として、陰影でフォルムを見せる造形になっています。特に和風を意識しているわけでもありませんが、昔から伝承された日本の住宅の長所を生かしながら、和洋折衷の現代の日本スタイルを体現していきました。