埼玉県日高市の新築木造住宅の暮らし

【設計事務所 独楽蔵の家に住むひとの日常】春のそわそわ

【暮らしnote No.17】
writing:maiko izumi

埼玉県入間市にアトリエを構える建築設計事務所 独楽蔵 KOMAGURAが設計した新築木造住宅に住む生活者(maiko izumi)から見える日々の暮らし

私はもう、いい大人なので、常識ある日常を送っている。今は春なので、新年度に向けて、身の回りの準備をしたり、新しい備品を揃えたり。この季節には避けることのできない出逢いと別れの悲喜交々を、粛々と受け止められるようにもなった。

でも本当は、春になると、そんなすべてをほっぽり出して、裸足で叫び出したいような、空を飛び回りたいような、小川で水浴びをしたいような、草原を転がりたいような気持ちが、どうしようもなく湧き上がる。理性と感性と野性がとろけ合うような、この季節が、たまらなく好きで、そわそわと落ち着かないのだ。

ただ重ね重ね、私はもう、いい大人なので、春の浮ついた妄想などは、上手に抑えることができる。「今年は、例年に比べて桜が早いですね」とか「季節の変わり目は、体調に気をつけなきゃですよね」「PTAの役員決め、大変ですよね」などと、もっともらしい台詞を並べてみたりなんかして、なんとか春への耽溺をかわしている。

けれど、桜はふわふわと、蝶はひらひらと。風はそよそよと、光はきらきらと。ちゃんとしなくていいじゃない。居眠りしたっていいじゃない。誰かが耳元で、そっと囁く。春という季節を、きちんと、真面目に生きるだなんて、もはや狂気の沙汰である。

そこで、私はいつも春になると、菜の花のおひたしを作り、のらぼう菜をごま油で炒め、タラの芽の天ぷらをいただく。お味噌汁にセリを入れ、ふきの筋を剥く。春の美味しいものたちは、どれも少しほろ苦くて、私に「あなたはもう、この味がわかる、いい大人なのです」と諭してくれる。私はしばし正気を取り戻し、今日もかろうじて、常識のある春を過ごすことができるのだ。

ただ、今年の春は始まったばかりで、どこに行っても桜が咲き乱れていて。無事に乗り切れるかどうかは、まだわからない。

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04-2964-1296 komagura@komagura.jp

この住宅の完成時の様子はこちら↓
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