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【外と内がゆるやかに繋がる、自由自在な大人の住み処】新築住宅の1年後

家は完成までも大切な道のりですが、実はそれは序章にすぎず、住んでからこそ、それぞれの人たちの物語がはじまります。住まう人と家が共に息づく風景は、実に素敵なものです。

埼玉県は入間市の古くからある閑静な住宅街。ちょうど台地の北側端部に位置して、南に向かって緩やかに登り勾配がついています。もともと建っていた住宅を解体して、ご夫婦のための、ゆるやかな開放感を感じさせる住宅を計画しました。完成から1年後、建物の点検も兼ねて、暮らしの様子を伺いにお邪魔しました。(完成当時の家の様子はこちら

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風景を眺めるための窓と、使うための窓と

リビングに入ると幅2550mmの大きな開口部から庭のグリーンが鮮やかに見渡せます。住宅の完成と合わせて植えた木々も少し大きくなりました。あと2,3年もすると、デッキテラスをやわらかく包むような、大きな木陰ができそうです。このサッシは、引き違い戸ですが、850mmと1700mmと、あえて大きさの異なる2つのサッシを組み合わせています。大きなほうのガラスは庭の景色をきれいに見るためのもの、普段は小さな850mmの障子を開け閉めして、出入りします(メンテナンスや大きい荷物を室内に搬入する場合は大きい障子も外れます)。網戸も、小さいサイズのみに設置。大きなガラスには網戸がないので、何にも遮られず、美しい風景を眺めることができます。

インナーテラスに向かって開く窓

45度の対角で配置された窓は、幅2000mmの引き違い戸。通常の引き違いサッシの幅が1650mmですので、こちらも若干大きなサイズです。建築本体の屋根が大きくかかったインナーテラスに向かって開いた開口部です。このインナーテラスは、外部のデッキテラスと一体になった入り江のような形態で、玄関ポーチを兼用する空間になっています。文字通り外のリビング状態。このスペースがこの家の大きな特徴かもしれません。こちらで外の風を感じながら、のんびり靴のメンテナンスをされたり、お茶を飲んだり。おふたりらしい時間を過ごされているそうです。

3匹のネコにとっても居心地の良い住み処に

インナーテラスに向かった開口部と玄関、リビングの位置関係。その空間に折り重なるようにオープンの階段が絡み合っています。階段の脇にはキャットタワー。3匹のネコたちがリビングにL型に配置されたキャットウォークを歩くのだそうです。

お気に入りのモノに囲まれながら、住まいへの愛着も深まっていく。

ダイニングテーブルを置く予定だったキッチンカウンターの前は、大きなソファが置かれていました。奥さんはこのソファに座りながら、プライベートガーデンを眺める時間が好きなのだとか。おいしいワインがあると、さらに愉しそうです。ファーニチャーやアートなど、お気に入りのものに囲まれながら、居心地の良い空間を育てていくことで、我が家への愛着もまた、深まってゆくのかもしれません。

1年を通して快適な断熱性能

この家の断熱材は現場発泡ウレタンフォームの「アクアフォーム」。天井や壁の隙間なく施工されています。(この家の断熱材施工の様子はこちら)冬は暖かく、夏は涼しく、快適に過ごされたそうです。床のフローリングは、節の無い杉の無垢材。経年変化していい色合いになってきました。ネコたちがかなりアクティブに遊ぶため、所々に小さなキズがあるのですが、あまり気にならないそうです。それもまた、このお宅ならではの、愛おしい記憶になっていくのかもしれません。

 

キッチンは想定通りスッキリと

この家の特徴の一つがキッチンの背面の壁。全体にタモ材の縦羽目板が張られたシンプルな壁です。このタモ材も経年変化でいい味わいになってきました。キッチンをスッキリシンプルにしたいという奥さんのご要望で、通常あるはずの冷蔵庫や食器棚は、キッチンの後ろのバックヤードに移動してあります。バックヤードには、IHの背面にある同じタモ材でつくった引き戸を開けて入ります。ただ、ゴミ箱だけはキッチンにないと使い勝手が悪いので、ゴミ箱置き場は、タモ材の両開き扉の奥に隠しています。こちらのゴミ置き場もキレイに使われていました。

ゆらぐ炎を愉しむ時間〜薪ストーブ廻りの床は機能から〜

冬には薪ストーブもずいぶん焚かれたそうです。想像よりはるかに操作が容易で暖かく、使いやすかったとのこと。薪ストーブのまわりの床材は、黒い玄昌石。火の粉が飛んだり、薪くずや灰で汚れても大丈夫なような色や素材にしています。玄昌石の床のカタチや大きさも薪ストーブの使いやすさから考えていますが、「使って見てこのカタチの意味が良くわかりました」とご主人が言ってくださって、とても嬉しく思いました。薪ストーブは、暖房器具としての機能性はもちろんのこと、心にも暖かさが灯るような不思議な作用があるように思います。たわいもないおしゃべりをしながら、グラスを傾けながら、時には静寂を愉しんで。無垢なこども心と、成熟した大人の心。どちらにも響く、奥深い薪ストーブの世界です。

リビングの椅子の数とデッキテラス(屋外)の椅子の数が同じ、内外を行き来する暮らし

アプローチの草花は、これからの成長が楽しみです。インターフォン&ポスト兼宅配ボックス&表札の組み合わせ。白い外壁の中で印象的な幅の狭い木製の格子ドアは、インナーテラス部分の灯り取り&通風のために設置。

庭木も少し大きくなりましたが、勢いのつく2,3年後が楽しみです。奥行きのある庭をお望みであれば、駐車スペースの側(南方向)にもう一本くらい中木を植えてみてもいいかもしれません。庭の木々が育ちゆくように、住む方と住まいのあり方も、ゆるやかに変化しながら育まれていく。その物語を見せていただくことも、私にとっては感慨深い時間です。

イロハモミジの株立ちとオリーブの木のコントラスト

広々としたデッキスペース。道路が北側ですので南側は完全なプライベート空間です。屋根のないデッキテラス部分も電動のオーニングを伸ばせば落ち着いた中間領域に。

北側道路側からの外観。汚れもなく白い外壁のままです。ガルバニウムとモルタルの素材を上手に使い分け、軒の長さや位置を細やかに調整することで、美しさを長く保つ外壁を設計することができます。

WORKS:暮らしがキャンプ! 入間市の木造新築住宅
この家のイラストコンセプト案:その先の、さらに先。近未来の生活

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