【古民家フルリノベーション】(昔の家の天井高の問題について)
2019/6/15
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古民家(昔の家)は基本的に和室で構成されていますので、部屋同士は、壁が少なく、障子や襖などの木製建具で区切られています。建具の上部の鴨居は、長押(なげし)や「差鴨居(さしがもい)」になっていて、その高さは、尺貫法でつくられていますので、大体高さが決まっています。
大黒柱(ケヤキ)のホゾ穴。床面を下げたため現れた
畳は寸法の取り方によって、京間や江戸間など、サイズが違いますから、建具も全国的に同じがどうか定かではありませんが、この辺りの地方(関東地方)は大体、高さ1760mm。ほとんどが5尺8寸です。昔の日本人は、総じて身長が低かったらしいので、それで問題がありませんでしたが、現代では大問題。180cmを超える人は普通ですからね・・・。新しく家を造る場合も、ドアや開口部は、やはり2mが基本です。
少し小さめな「差鴨居(さしがもい)」
古民家の天井高を確保する
ですから、古い家をリフォームやリノベーションして新しく直すときは、その鴨居の高さ:1760mmが大きな問題になってきます。普通の鴨居であれば、解体して取り外してしまえばいいのですが、古くて立派な家になるほど、鴨居が「差鴨居(さしがもい)」になっている場合が多いんです。「差鴨居(さしがもい)」とは、柱にホゾ差しで組み込まれている幅広の太い鴨居のこと。梁のような構造体の一部になっているので、構造的にも重要ですので、簡単に取り除くわけにはいかないんです。それ自体を残して見せることが、古い家を直す意味でもありますし・・・。
和室と広縁の間の長押のほぞ穴
従来の床を下げる
高さを確保する解決法の一つは、逆に床を下げてしまうことです。昔の家は床が地面より、かなり高く造ってありますので、可能な場合が多いです。写真の家も、床を150mm程度下げました。玄関土間からの上がり框も低く抑えることができるので、一石二鳥です。
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