入間市の木造住宅の建て替え、住宅設計

『住み継ぎ』のための木造新築住宅への建て替え(入間市)

西武池袋線 入間市駅からほど近い住宅地。古くからある細い道を奥に入っていくと、突然、空が開けて、広い敷地が現れます。敷地の中には、母屋とは別に、蔵や以前、お茶屋さんとして使われていた建物が点在しています。何世代にも渡って、住み継がれてきたこの土地に、これからも住み継いでいくための住宅の建て替え計画です。そして、敷地の中心は築50年の大きな母屋ですが、家族や近隣の環境の変化に合わせて、母屋の規模、配置を再検討したうえで新しく立て直すことになりました。

① 広い敷地(屋敷)の建て替えは、まずは土地の利用計画と建物の配置計画から

約300坪の広い敷地の中には、車庫兼物置、蔵などの別棟が点在しています。現在住んでいる家を残しながら、新しい住宅を建てることが可能な敷地のために、まずは「新しい家を敷地のどの部分に建てるのか」という検討から計画は始まります。

① 敷地の空地部分に家を建てると、工事中、現在の家を解体する必要がありませんので、違う場所に引っ越しする手間は省くことができます。しかし、完成後は、南側の庭が狭く、敷地の北側に広大な空地が生まれてしまいます。
② 現在と同じ場所に家を建てると、工事中、引っ越しの必要があります。完成後は、現在と同じように庭を使うことができますが、現在でも少し庭が充分に広く管理や整備が少し負担になる。
③ 敷地の北側は道路に面しているので、道路から6m程度を駐車場(11台分)にして、近隣の方に貸し出す。建物は現状から南に2m移動した状態で新築する。庭も少し面積が減って管理が楽になる。

選択肢として上記の3パターンが考えられましたが、③の方法で計画を進めることになりました。

② 家の建て替え:過去の記憶を残す古い材料や道具を残す

古い家の客間には、4枚組の木製板戸が使われていました。4枚をあわせると、4500mmの長さになります。新しい家では、長さ4500mmの引戸を使うスペースはありませんので、4枚の中から、状態の良い建具を2枚チョイスして、リビングと上がり座敷(和室)の間の両引き分け戸として再利用することにしました。

リペアで再利用した板戸の様子はこちら

リビングの続き間は、8畳の仏間(上がり座敷)。建具一枚の幅は1200mmで、申し分ないのですが、高さが1760mmしかありませんので、板戸をリペアして、1800mmにかさ上げして使用します。

③ キッチンカウンターから伸びるダイニングテーブルは脚が一本でスッキリと

長さ1800mm×幅900mmの大きな作り付けのダイニングテーブルです。片側はキッチンのカウンターから張り出して、一本の脚でテーブルを支えています。天板はメンテナンスやコストを考えて、デコラ張りですが、日常的に手の触れるテーブルの縁周りは、タモの無垢材で作っています。

見た目もスッキリしていますが、椅子のレイアウトも自由になりますし、お掃除も楽ちんです。テーブルの両袖に出幅200mmの棚がT字に伸びているのも特徴の一つです。ティッシュや携帯、リモコンなど日常のコマゴマとした小物を整理して、テーブルを綺麗に保つことができます。

ダイニングテーブルは、一本の丸柱で固定された造りつけ。キッチンカウンター部分は、タモ材の縦羽目板を使用しています。

④ セミオープンのアイランドキッチン

アイランドキッチンとは、その名の通り「島」のように壁から離れた場所に配置されているキッチンのこと。

導線的にキッチンの両側からアクセスできるので、使い勝手のいいキッチンですが、壁のない独立型のキッチンですので、全てが丸見えで、キッチンが片付かない場合は、落ち着かない空間になる危険性があります。

今回、採用したのは導線的にはアイランドですが、IHのコンロ部分は壁にして、少し隠れる場所を作っています。見せたくないものは隠すことができますし、油や熱などの汚れも軽減することができます。アイランドと通常の対面キッチンのいいとこ取りです。

キッチンの食器棚とカウンタースペース。北側の階段から、スリット窓で採光を取り込んでいます。

⑤ 床の間と神棚のある仏間

代々の歴史のある家づくりで、検討が必要になるのは、神棚と仏壇の配置の問題。リビングに置いたり、仏間を作ったりと、それぞれの家族の考え方によって配置の場所が変わってきます。

地域によっては、配置の向きや方位が決まっている場合もありますので、計画の初めからある程度決めておく必要があります。

今回の計画では、リビングと続き間にもなる8畳の和室に、仏壇と神棚を配置できるように計画。法事やお盆の際など、来客が多くあった時も便利ですし、日常の暮らしの傍に感じられます。

押入の脇は南向きの仏壇置き場、上部は造り付けの神棚になっています。

【経師屋(きょうじや)さんの仕事】和室の和紙張りの様子は・・・こちら

⑥ 2階の屋根はガルバニウム鋼板、1階屋根は、日本瓦(いぶし銀)で耐震性とデザインを共存

西側、北側の外観は、防備とメンテナンスを考えて、ガルバニウム鋼板を使用

⑦ 通信ステーションで、家電やインターネット器具、配線などをスッキリとさせる

リビングからは直接見えないアイランドキッチンの通路部分の収納スペース、計画時は天井から床までの大きな収納でしたが、以前の家で使用していた「水屋」を新しい家でも利用したかったので、この場所にスッポリと収めることに・・・。

⑧ 接客は、靴を脱がずに玄関スペースで完結させる

建築本体の瓦屋根の下にある玄関ポーチは、約4.5畳。たっぷりとしたアプローチから、引戸のガラス戸を開けると、玄関には土間の部分にミニテーブルが造り付けしてあります。

銀行や農協などの来客や隣人などの急な訪問の際の接客スペースです。靴を脱いで、リビングにあがらなくても、このスペースで応対ができるように考えてあります。もちろん、専用のエアコンも完備です。

キッチンの裏手にある勝手口

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